山間の自然に囲まれた、道の駅しもべ。その敷地内に、平日の昼のみオープンしているうどん店がある。見たこと、食べたことのあるうどんなのに、何かが違う。あちこちのテーブルから「わ、おいしそう!」と声が漏れる、身延町の讃岐うどんをご紹介。
Featuring
うどん笑里
中部横断自動車道六郷インターから車で約12分のところにある道の駅しもべ内にある、讃岐うどんの店。ぶっかけ、かけうどん、ざるうどんといった定番メニューは天ぷらの種類でバリエーション多数。
身延町に本場のゆでたて讃岐うどんが
食べられる道の駅がある?
キャンプ場を併設した「道の駅しもべ」に、知る人ぞ知る讃岐うどんの名店がある。そう聞いて伺ったのは2023年にオープンした「うどん笑里(わらさと)」。月、火、木、金のランチタイムのみのオープンにも関わらず、観光客から地元の常連客まで、小さな店内は多くの人で常ににぎわっている。
メニューには、いちばん人気の「讃岐天ぶっかけ」をはじめ、ぶっかけスタイルや「かけうどん」といった讃岐系がずらりと並ぶ。喉ごしのいいもちもち麺の小麦粉は、三重県産と北海道産をブレンドした国産100%というこだわり。北海道産の真昆布と瀬戸内産の煮干し、かつお節やうるめ節といった4種の節で丁寧にとったクリアな出汁との相性は抜群で、「笑里のために道の駅に立ち寄る」というリピーターが多いというのも頷ける。でも、なぜ身延で讃岐うどんの店なのだろうか?
HELLO
(Morning!)
愛媛から神奈川、
そして、長男家族が住む身延町へ。
店主の山本康憲さんは、脱サラをして51歳で神奈川県相模原に讃岐うどんの店を開業。四国出身の山本さんは、まだ本州から四国にかかる橋がなかった頃、岡山県の宇野と香川県の高松をつなぐ宇高連絡船を使って実家のある愛媛県に帰っていた。その船には立ち食いの讃岐うどん店がある。船に乗るたびに食べていたうどんで、四国に戻ってきたことを実感していたという。そんな記憶が、出店につながる。
「愛媛県の山奥で育って、16歳で就職のために都心に出てきました。僕には息子が3人いて、3人目の大学入学で子育てがひと段落した48歳の頃に、『俺はこのままでいいのかな』と考えるようになって。ミッドライフクライシスというらしいのですが(笑)、若い頃から仕事をしてきたので好きなことをやろうかなと思って、51歳で会社を辞めてうどん店を始めました」
店主の山本康憲さん。相模原では15年と決めて始めたうどん店だが、笑里は期限を決めていないそう。「やれるところまでやってみようと思っています」
キリッとしたキレとコシのバランスが絶妙のうどんは、讃岐うどんそのもの。
相模原にオープンした讃岐うどん店「笑門」は口コミが広がって瞬く間に人気店となる。「15年はやろうと決めて」始めた店をきっかり15年続け、66歳で第二の人生にも区切りをつけた。その後の人生をどうしようか考えて、出てきた選択肢は3つ。そのまま相模原に住み続けるか、田舎の愛媛に帰るか、子どもたちの住む街に移り住むか。その中で、長男家族が住む身延町を選んだという。
引退したはずなのに、
身延でも、やっぱり「うどん」だったのです!
名物「讃岐天ぶっかけ」は、かしわ天とちくわ天、大きな舞茸天がのる。コシのある麺はゆで加減が絶妙。ほかに、黄金色に透き通ったクリアなつゆが魅力の温かい「かけうどん」もおすすめ。
麺はゆでたて、
天ぷらは揚げたてにこだわる。
道の駅であり、キャンプ場を併設している場所柄、県外からの観光客が多いものの、地元のコアなファンに愛されているのが笑里の大きな特徴。毎週足を運ぶ常連客もいるため、山本さんは彼らのためにポイントカードをつくり、2週間おきに変わる期間限定メニューを用意している。限定メニューは、あけぼの大豆や山梨県産の浅尾大根など、地元の食材をふんだんに使用したオリジナルうどん。飽きのこないメニュー展開と良心的な価格設定に、顧客はがっちり心をつかまれているようだ。
うどんは脱サラをしてから、ほとんど独学で学んだという。ひと工程ごとの繊細な所作に、山本さんらしさが垣間見える
天ぷらを揚げるのは、長年一緒にお店を切り盛りしてきた奥さん。うどんがゆであがったら、すぐに揚げたての天ぷらが添えられる
とびきりの讃岐うどんを、
毎日食べられるような価格で。
「うどんは日常食。たかがうどんですから、基本のうどんは1000円を超えてはいけないというのが僕の考えです。でも、僕がお客様に提供するときは、盛り付けでもなんでもとびきり特別なものだと思って心をこめてお出ししています」
たしかに、スタッフである地元のお母さんたちが運んでくれた山本さんのうどんは、品と自信があってキリッと美しかった。味は、言わずもがな。たかが、うどん。されど、身延町の讃岐うどん。遠回りしてでも、お腹をすかせて足を運んでみては?
うどんはなんたって日常食。
だから、なるべくたくさんのお客様に気軽に楽しんで欲しい。
地元の方にたくさん足を運んでいただきたいから、ポイントカードは有効期限なし。スタンプがいっぱいになると500円引きになるだけでなく、VIP会員用のポイントカードがもらえる。
店内に飾られる数々の切り絵作品は、なんとご主人の作品! 会社員時代は製造業に携わっていただけあって手先が器用なのだとか。
長い間こだわり抜いたうどんと、とびきりの笑顔で、たくさんの人を幸せにしている山本さん。
うどん笑里
山梨県 南巨摩郡身延町古関4321 道の駅しもべ
電話番号:
090-1698-3339
営業時間:
11:00-14:00(L.O.13:30)
定休日:
月・火・木・金(現在は月に2回程度日曜営業中/1〜2月は休みが不確定なので、HPなどでご確認下さい)
山間の自然に囲まれた、道の駅しもべ。その敷地内に、平日の昼のみオープンしているうどん店がある。見たこと、食べたことのあるうどんなのに、何かが違う。あちこちのテーブルから「わ、おいしそう!」と声が漏れる、身延町の讃岐うどんをご紹介。
人気メニュー
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別盛でかしわ天とちくわ天と舞茸天が付いた温かい「讃岐天うどん」。出汁が最高。/950円
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かしわ天とちくわ天と舞茸天を添えた「讃岐天ざるうどん」。讃岐うどんらしい喉越しが味わえる。/980円
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かしわ天とちくわ天と舞茸天がのった冷たい「讃岐天ぶっかけ」。一番人気!/950円