THEME:

心を落ち着け、無になる

AREA:

静かな山里にひっそりと佇む常幸院。
600年の歴史を誇る禅寺で、朝日を浴びながら坐禅を組み、精進料理の朝がゆを味わう。
心を落ち着け、自然と一体になれる時間がここにはある。
身延町の魅力と命の循環を感じる、新しいエネルギーが生まれる場所。

FEATURING

曹洞宗 金龍山 常幸院

朝活に嬉しい坐禅や朝がゆ、写経は、宿泊者以外も体験可能。事前の問い合わせで日時の相談を。長年、地域の人や檀家と連携しながら歴史を紡いできた常幸院は、いつでもオープンマインド。禅の心を持って人々と接してくれる。住職は、夏を盛り上げる常葉川の花火大会や灯籠流しの発起人。

梅林禅芳和尚によって
開かれた禅寺、
曹洞宗金龍山常幸院。現在は27代目の深山光信さんが
住職を勤め、その歴史は
670年以上と長きにわたる。

武田信玄の隠し湯とも噂され、古くから愛されてきた下部温泉からほど近く。常葉川が流れるのどかな場所で、禅を重んじた暮らしを発信している。日常のすべてに感謝を込めて、ていねいに行う。それが禅の教えであり、いのちの大切さを学ぶきっかけ。

坐禅はもちろん、写経や法話、朝がゆなど、禅寺での生活を気軽に体験できることもあり、今では地域住民の憩いの場へ。遠方からの参拝者や海外の旅行者も訪れるという。子ども禅の集いやスポーツクラブの禅合宿、企画展など、趣向をこらした行事は常幸院ならでは。南山梨を盛り上げるべく、地域を巻き込んだ観光イベントも積極的に行っている。

禅に触れることは、
歴史に触れることでもある。

JR身延線の「甲斐常葉駅」から歩いて10分ほど。坂道を少し登った場所にある常幸院は眺めが良く、開放的な雰囲気。駐車場には十六羅漢の石像が並び、山門の横には仁王像の姿が。人気アニメに登場する「ラッキードリンクショップ」の看板がさりげなく置かれているのも親しみやすい雰囲気。境内の入口では、のびのびと育てられた犬たちがお出迎え。愛犬家である住職が保護犬などを受け入れているのだ。

開放的な雰囲気の中で禅と愛犬たちと触れ合える、心温まる場所です。

火災の影響で明治34年に立て替えられた本堂には、釈迦が亡くなる時に遺言を託したと言われる十六羅漢の天井絵も。この場所では、希望者の時間に合わせて坐禅体験を行っている。さらに奥へ進むと、写経を行う客殿が現れる。写経に使われる和紙は、身延町の伝統である西嶋和紙を選ぶことも。多くの書道家に珍重される和紙で、その歴史は戦国時代までさかのぼる。

住職が鐘楼堂に立ち、大きく鐘を鳴らす。毎日聞こえる6時の鐘の音が、常幸院の朝の始まりだ。清々しい朝陽と静寂に包まれながら、身延線を走る電車や常葉川をそっと見下ろす。人の気配はまだまばら。動物たちが大きく伸びをするように、自然のリズムに合わせた1日がスタート! 常幸院では本堂で宿泊ができる(要事前予約)ので、ここで非日常的な時間を過ごすのもいい。坐禅を組み、精進料理の朝がゆを食べ、いつの間にか当たり前になった雑念や喧騒を手放す。スッキリとした気分で眺める景色は、この地の本当の魅力を知るきっかけにもなりそう。「身延町の名産はみのぶゆばやあけぼの大豆やしいたけ。地域で愛されている味」と住職の深山さん。

Hello!

(Morning!)

1352年に開かれた常幸院は曹洞宗の寺院。曹洞宗は坐禅に重きを置いた一派で、日本三大禅宗のひとつ。明治初期の火災により本堂を再建した

境内は仏教の歴史や文化を感じるものばかり。気になることは住職の深山さんに聞いてみよう。そこから知恵も生まれる

山門に並ぶのは大きな仁王像。仏教の守護神と言われ、境内に邪悪なものが入るのを防ぐ役割を担っているのだとか

本堂の天井にあるたくさんの花紋は、歴代の檀家からの贈り物。美しい手仕事と彩りに日本の古き良きカルチャーを
感じる

朝の坐禅体験。すっと背筋を伸ばし、足を組む。目を開けたまま一点を見つめる。何も考えない時間で脳が驚くほど
リセット!

無心になりお経を書き写す。何気ない行動の先には、心を落ち着けたり、精神を統一する効果がある。清々しい朝の始まりにぴったり

いのちと向き合いいただく「精進料理」は、仏教の教えそのもの。お粥と漬物、海苔。身体に優しい朝食は、“いただきます”の本当の意味を学びながら

PROFILE

曹洞宗 金龍山 常幸院

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Things
Product

南山梨のヒト・モノ・コト