「無印良品 銀座」に山梨県産のエシカルなシャインマスカットが登場! 

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最終更新日: 2025.11.06
アンリ・シャルパンティエ 山梨県プレミアムフルーツコラボレーション第2弾

「無印良品 銀座」に山梨県産のエシカルなシャインマスカットが登場! 

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山梨県のシャインマスカットや桃と言えば、全国でも知名度の高い名産フルーツ。たくさんの農家が「甘くて美味しいフルーツを届けたい」の想いで栽培しています。

栄養たっぷりの土壌を作り、旬を迎えるまで丁寧に育て、収穫後は畑に伸びた雑草を刈り取って……そうした生産過程に「ある工夫」を加えることで、地球温暖化対策にもつながるのをご存知でしょうか。

その工夫とは「炭素」。刈り取った雑草や堆肥、炭化した剪定枝を畑に撒くなどして土壌の炭素量を増やし、大気中の二酸化炭素量を低減させる「4パーミル・イニシアチブ」という取り組みが今、注目を集めています。 

山梨県は国内でも先駆けてこの考え方を農業に取り入れてきました。令和7年9月末時点で取り組み面積は約6,400haに及び、約150戸もの生産者が4パーミル・イニシアチブ認証を受けた農産物を生産・販売しています。
「この活動をもっと多くの人に知ってもらいたい」と、山梨県では毎年9月に販売フェアを開催。関東を中心に県外のさまざまな店舗で4パーミル・イニシアチブ認証農産物を販売しています。フェア実施先のひとつが「無印良品 銀座」だと聞きつけた取材班が、2025年9月某日に現地を訪れました。

「4パーミル・イニシアチブ」とは

土壌に炭素を貯留することで、大気中の二酸化炭素を低減させ、地球温暖化を抑制させる取り組みのこと。世界の土の中に含まれる炭素量を毎年0.4%(=4‰)増やすことで、人間の経済活動により大気中に放たれる二酸化炭素の増加量を相殺できるというものです。「パーミル(‰)」とは「パーセント(%)」の10分の1の単位。「4パーミル」は「0.4パーセント」に相当します。元はフランス政府が提案した考え方で、日本の地方自治体では山梨県が初めて導入。現在、山梨県ではこの考え方を取り入れた農家さんが増えてきています。

山梨県では4パーミル・イニシアチブによって生産されたブドウやモモなどの農産物を「4パーミル・イニシアチブ認証農産物」として認定。ロゴマークが貼られた果物や野菜は、地球温暖化に寄与した農産物として県が認めています。

無印良品も注目する、温暖化対策になる農産物の生産方法

無印良品 銀座が4パーミル・イニシアチブ認証農産物の販売をスタートしたのは2022年から。以来、夏季シーズンを中心にシャインマスカットや桃などのフルーツを毎年販売しているそうです。さまざまな産地の農作物を販売する無印良品が、どうして4パーミル・イニシアチブ認証農産物を選び続けるのか。実際に購入されるお客さまの反応はどうなのかなどについて、売り場担当の杉村さんにお話をうかがいました。

株式会社良品計画 杉村さん
パーソナルカラー検定3級や野菜ソムリエの資格を持つ
現在は無印良品 銀座で食品コーナー全般の仕入れや販売状況の管理を担当
青果コーナーで販売する農家さんとの交渉も行う

「株式会社良品計画の杉村です。銀座店は無印良品の世界旗艦店として知られる大型店舗。当社で販売する商品をすべて取り扱っていると言ってもいいぐらい、品揃えが豊富です。全国各地の農家さんから仕入れた野菜やフルーツなど、他の無印良品ではなかなか見かけない生鮮食品を販売しているのも特徴ですね。今はちょうど、4パーミル・イニシアチブ認証農産物のシャインマスカットが旬の時期。ただ商品の美味しさを伝えるだけでなく、ディスプレイなども設置してお客さまへどんな取り組みかをご案内しています」(杉村さん)

「地球環境の未来を守りたい」という想いを重ねて

無印良品は「2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロ社会の実現」を目標に掲げるなど、サステナブルな活動にも積極的な企業です。お客さまが長年愛用いただいた服を店舗で回収して選別・リサイクルし、染め直して新たな商品として甦らせる衣服リユース「ReMUJI」や、店頭で回収したプラスチック収納用品やスキンケアPETボトル、羽毛布団などを再資源化して商品として活用するリサイクル活動など、さまざまな取り組みを続けています。

​​​参考:https://www.muji.com/jp/ja/special-feature/other/remuji/recycle/

持続可能な社会の実現を目指す無印良品と、地球温暖化対策につながる4パーミル・イニシアチブ認証農産物。どちらも「未来の環境のため」という姿勢は同じ。それが、毎年店舗で販売されている理由のひとつなのかもしれません。杉村さんからお話を聞きながら、売り場の様子も拝見させてもらいました。

売り場の様子。ディスプレイを活用して活動内容についてもしっかりとアピール 

フェア期間中ということもあり、売り場では活動について説明するディスプレイやロゴマークが付いたのれんなどが置かれています。

私たちは普段、自分の食べるものが「どんな風につくられているか」や「食べることでどんないいことが起きるか」まで考える機会は少ないのではないでしょうか。でも、こんな風に商品とリンクして取り組みについて知る機会をお店から提供してもらえたら、「このシャインマスカットはエシカルな行動につながっているんだ」「生産過程でも地球温暖化対策ができるんだ」と考えるきっかけにつながりそうです。

続いて、実際に購入されたお客さまの反応についても聞いてみました。

「銀座店にご来店されるお客さまは、地球温暖化対策について自分も何かできることはないかと考えていらっしゃる方がとても多いです。お仕事でそうした活動をされている方もいれば、私生活の中でできることを模索している方もいます。また、近年は無農薬や減農薬の栽培方法が注目されるなど、生産過程に注目されている方も少なくありません。そんな方々に4パーミル・イニシアチブ認証についてご紹介すると、とても関心を持っていただけますね。もっと多くの方にこの取り組みを知ってもらうため、私たち無印良品のスタッフが接客時にしっかりと生産過程や地球温暖化に対する効果について説明させてもらっています」(杉村さん)

杉村さん自身、土壌に炭素を貯留することで二酸化炭素濃度の低減につながると初めて知ったときは「すごい!そんな方法があるんだ!」と、とても感心されたそうです。その驚きや発見を、お客さまにもご自身の言葉で伝えてくださっているとのことでした。でも、お客さまがいちばん気になるのは「どんな味がするのか」なのではないでしょうか。

「生産過程を知って興味を持ってくださる方も多いですが、やっぱり一番気にされるのは美味しさ。特にシャインマスカットは、“どのぐらい甘いの?”と質問されることが多いです。店舗では他県のシャインマスカットも販売していますが、山梨県産のシャインマスカットは盆地特有の寒暖差の激しい気候下で育つせいか、実にしっかりと甘みを蓄えているように感じます。私も実際に食べてみましたが、一番の特徴は食べた瞬間から甘みが口全体に広がるところ。最初の一口から最後までずっと濃厚な甘さが続くように感じます。海外のお客さまも“日本国内で育てられたフルーツなら絶対に美味しい”と大きな信頼を寄せている方が多く、連日多くの方に買われていますよ」(杉村さん)

生産者の想いを知っているからこそ、もっと知りたい、広めたい

無印良品 銀座では農家さんから「うちの商品を取り扱って欲しい」という問い合わせも連日絶えないそうです。杉村さんは契約農家さんとのやり取りも担当していて、農産物に対する生産者の想いを直接聞くことも多いと教えてくれました。

シャインマスカットには「4パーミル・イニシアチブ」のロゴマークがバッチリ貼られています 

「農家さんからはいろんなお言葉をいただきますね。初めてお取引をした方から“自分たちが育てた野菜が無印良品のお店に並んでいる様子を見て感動しました”と言っていただけたり、何年もお付き合い続いている方からは“今年はこんなに美味しい野菜が獲れましたよ!”とわざわざご連絡をいただけたり……農家さんたちとの関係が深まるたびに私たちも“よし!頑張って一人でも多くのお客さまに販売しよう!”という気持ちが湧いてくるんです。4パーミル・イニシアチブ認証を受けた農産物の販売は、今のところシャインマスカットと桃のみですが、ご縁があればもっといろんなフルーツを取り扱っていきたいと考えています。“うちも4パーミル・イニシアチブ認証の農産物を育てているよ!”という方がいれば、ぜひ教えて欲しいですね」(杉村さん)

「本当は、実際に現地を訪れて農家さんからもっと直接お話を聞きたいんですよね」と話す杉村さん。その表情からは、本当に農家さんとのつながりを大事にされていることが伝わってきます。

4パーミル・イニシアチブに取り組む農家さんへメッセージ

最後に、山梨県で4パーミル・イニシアチブ認証の農産物を育てる農家さんへメッセージをいただきました。

「今年は特に厳しい暑さの夏でした。過酷な環境下で作業していただき、とても大変だったと思います。こんなに美味しいフルーツを私たちの店舗へ納品してくださって本当にありがとうございます。とても美味しくて、お客さまにも大人気です。私たち銀座店のメンバーが力を合わせて、4パーミル・イニシアチブ認証の取り組みや美味しく育ったフルーツの魅力をお客さまに伝えていきますので、これからもどうぞよろしくお願いします」(杉村さん)

山梨県によれば、4パーミル・イニシアチブ認証を受けている農家さんの多くは、「未来の子どもたちのために、自分たちにできることをやりたい」という想いでこの取り組みに参加されているそうです。未来や環境課題に向き合う農家のみなさんの姿勢もまた、無印良品 銀座に選ばれ続けている理由のひとつなのかもしれません。

4パーミル・イニシアチブ認証の農産物は、一体どんな農家さんがつくっているのか、どんな生産過程を経てつくられているのか。気になる方はぜひ次の関連記事もチェックしてみてください。

文・中尾 奈津子、写真・朝岡英輔

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