THEME:

" 未完成"の場所

AREA:

日常とは違う静寂な時間が流れる、一棟貸しの古民家宿・出口や。明治時代に建てられたという築120年の建物には、和と洋の文化が溶け合う心地いい空間が広がる。富士川町の豊かな自然とともに、里山の息遣いを全身で感じるひととき。旅好きのオーナーがこの場所に込めた想いとは──?

Featuring

出口や

豊かな自然が広がる大柳川渓谷のふもとに佇む、築120年の古民家宿。1階には創建当時のままに残された畳と土間の風情が漂い、2階には洗練されたモダンなフロアが広がる。和と洋の文化が交錯する空間で、パチパチと心地よく響く薪のはぜる音に耳を澄ましたり、空に広がる満天の星を眺めたり。里山ならではの静寂と温もりを、心ゆくまで感じられる。

住所:山梨県南巨摩郡富士川町十谷440
連絡先:deguchiya.yamanashi@gmail.com
IN / OUT:15:00〜 / 10:00
定休日:不定休(詳細は予約時にご確認ください)

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HISTORIES

100年以上の時が刻まれた古民家に心を奪われて

緑豊かな森林や田園に恵まれた富士川町十谷エリアに静かに佇む、古民家宿・出口や。はじまりは、オーナーと築120年の古民家との運命的な出会いだった。歴史が刻まれた母屋、風格ある蔵、重厚な長屋門。これまで数々の古民家を巡ってきたというオーナーは、当時の面影を色濃く残すその佇まいに心を奪われ、「なんとかこの場所を残したい」と決意したという。そんな強い想いに共感した前所有者から建物を譲り受け、再建をスタート。長年この地の暮らしを支えてきた建物は、当時、雨漏りがひどく一部の柱には腐敗も見られた。それでも何度もこの場所へ足を運び、地元の職人たちの力も借りながら、一歩ずつ再生。2024年11月にオープンした。


風格ある佇まいに、歴史の重みが宿る母屋の全景。

PLACE

里山の静寂に身を委ねて

宿に広がるのは、日本の古き良き文化と、現代的なホテルのような快適さが溶け合う空間。1階には当時のままに残された畳と土間が広がり、い草の懐かしい香りが訪れる人をそっと包み込む。大きな薪ストーブの火のゆらめきを眺めながら、家族や友人と語り合ったり、本にふけったり。そんな、時間を忘れて過ごすひとときがここでの贅沢だ。かつて蚕を育てる場だった2階は、落ち着いた雰囲気の客室へと生まれ変わった。元の柱や梁を活かしつつ、細部にまで意匠を凝らした設計。「建物の歴史的意匠を保ちながら、現代の生活に調和させることにこだわりました」というオーナーの言葉通り、キッチンやバスルームなどの設備も整えられ、まさに暮らすような滞在が叶う。この場所で届けたいのは、里山ならではの五感が開く体験だ。中庭でのBBQや花火、澄んだ夜空に輝く星々。そして夕食には、心温まるケータリングを。熱々のグラタンやビーフシチューなどを囲みながら、クラフトビールやワインを片手に語り明かすのもいい。また、近くには四季折々の表情を見せる大柳川渓谷もあり、初夏の新緑や秋の紅葉も心ゆくまで満喫できる。「都心では味わえない、この場所ならではの時間を楽しんでもらえたら嬉しいです」。

土間に置かれた薪ストーブの炎をぼんやりと眺めるのも、この場所だからこそ味わえる贅沢な時間。

障子の向こうには豊かな緑。切り取られた景色も、この部屋のしつらえのひとつ。

1階の和の空間と2階の洋の空間を繋ぐ、現代的な螺旋階段。

差し込む光の角度まで美しく。細部にまで計算し尽くされた、静謐な空間。

食卓を彩るごちそう。訪れる日によって変わるというメニューも楽しみのひとつ。

HELLO

(Future)

完成はまだまだ先?

2024年11月にオープンした出口やだが、オーナーにはまだまだやりたいことがあるという。「今は中庭にBBQデッキを作っている最中なのですが、長屋門の隣にある蔵で何かできないかなとも考えています。あれこれと想像を膨らませるだけでワクワクしますね」。実はオーナー自身、大の旅好き。「実際にその土地へ行くことでしか、感じられないことがあると思っています。訪れたお客さんに『また来たい』と思ってもらえるような、そんな場所に育てていきたいです」。

窓の外に見える、製作中のBBQデッキ。完成が待ち遠しい。

日常とは違う静寂な時間が流れる、一棟貸しの古民家宿・出口や。明治時代に建てられたという築120年の建物には、和と洋の文化が溶け合う心地いい空間が広がる。富士川町の豊かな自然とともに、里山の息遣いを全身で感じるひととき。旅好きのオーナーがこの場所に込めた想いとは──?

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