PROFILE
フリー編集者・ライター クシダユリ
南山梨の情報を発信するフリーペーパー『南山梨 HuMaN』の制作を手掛け、早川町の広報誌などにも関わっています。地域に密着したコンテンツ制作を通じて、地元の魅力を広めることに情熱を注いでいます。
「ポポ」ーーこの不思議な名前のフルーツは、早川町の特産です。こぶし大くらいの楕円形をしていて、皮は黄色がかった緑色、中は鮮やかなオレンジ。タネは多めで、芳醇な甘い香りが特徴的。その味はというと、「マンゴーとバナナがまじったよう」というのが早川町内での常套表現です。
ポポは、めったにお目にかかれないことから「幻のフルーツ」とも呼ばれます。町内での収穫時期は、だいたい9月末から10月初め頃。収穫後はほんの1、2日で熟し、あっという間に色も悪くなってしまうので、生のままでの流通がなかなか難しい。そこで、加工して一年を通して楽しめるようにしています。
町では、商品化のきっかけとなったポポアイスやポポシャーベットが今も定番。さらに、町内の「農家レストラン早川舎」では、「ポポレモンシェイク」や「ポポアイス&紅梅シュガーバターラスク」、「フレンチトースト&ポポアイス」(土・日・祝日限定)が味わえます。また期間限定で「ポポのクリームブリュレ」などが並ぶことも。
タイミングが良ければ、町内で生のポポが販売されていることもあります
早川町になぜポポが?
ポポの原産は北米。もともと早川町にあったものではありません。町内での栽培の始まりは、どうやら薬袋(みない)集落。戦後、仕事のつてで海外からポポを手に入れた人が自宅で育て始め、そこから広がったと言われています。ポポのタネは発芽率が良く、木から実が落ちると勝手にどんどん成長するので、集落内で自然と増えていったようです。
どうして特産品になったのか
一方で、タネばかりの食べづらさに加え、甘ったるいともいえる独特の香りからか、町民からの好感度は意外にもそこまで高くないポポ。ともするとアケビやグミの実のように、「そこらへんになっている食べられる実」のひとつで終わっていたかもしれません。
そんなポポが特産品というポジションで表舞台に立てたのはなぜでしょう?当時、薬袋で地域づくりに関わっていた人たちのもとへ、「珍しいものがあるから、これで何か作ってみたら」と地元の人がポポを持ち込んだことから、商品開発が始まりました。
一筋縄ではいかないポポ
当時の開発の裏話としては、プリンやクッキーなども試作したのだとか。しかし、どうもプリンは味がイマイチで、クッキーは焼くと風味がとんでしまう。なかなかしっくりこない中で、ポポのよさがもっとも引き出されたのがアイスとシャーベットだったのだそう。
当時、商品化を進める中で、ポポならではの難しさもいろいろあったとのこと。追熟させたものでは思うような味にならず、木で熟して自然に落ちた実を使ったり、収穫後は傷みやすいため時間との勝負になったり。タネの多さや独特の風味の活かし方にも試行錯誤が必要だったそうです。
それでも試作を重ね、ポポは無事に商品化へ。粘り強く研究して形にしてくれる人に見つけてもらえたのは、ポポも幸運だったことでしょう。
INFO
商品情報
◎ポポアイス・ポポシャーベット
販売:早川町内の各施設
問い合わせ:
南アルプスふるさと活性化財団
電話:0556-45-2507
INFO
店舗情報
◎農家レストラン早川舎
住所:南巨摩郡早川町高住650
営業:レストラン 11:00~16:00
(食事オーダーストップ 15:30)
定休:水曜日・年末年始
電話:0556-45-2600
アクセス:
下部温泉早川ICから車で約15分