山梨県立美術館をはじめ、たくさんの美術館がある山梨県。
数多くの美術作品に触れることは、新しい世界や価値観を知り、知的好奇心を高められる素晴らしい機会と言えるでしょう。
ここでは、山梨県にあるさまざまな美術館や、山梨県立美術館の新たな取り組みについてご紹介しています。興味がわいた方は、ぜひ美術館に足を運んでみてください。
INDEX
たくさんの美術館があるアート県・やまなし
美術館の役割は、すぐれた美術作品を収集し、展示公開して一般に広めていくこと。山梨県にはさまざまなジャンルの美術館が存在します。
実は山梨県は、人口あたりの美術館数ランキングの1位(※NTTタウンページ / 2016年調べ)に輝いたこともあるアート県なのです。
この記事では、山梨県にある代表的な美術館をエリア別に紹介します。
東部・富士五湖エリアにある美術館
東部・富士五湖エリアにある美術館をご紹介します。
- フジヤマミュージアム(富士吉田市)
- 河口湖美術館(富士河口湖町)
- 四季の杜おしの公園 岡田紅陽写真美術館・小池邦夫絵手紙美術館(忍野村)
▼フジヤマミュージアム(富士吉田市)
名前の通り、さまざまな「富士山」の絵画が展示されている美術館。
回廊の途中に液晶ビジョンを設置し、ライブカメラが映すリアルタイムの富士山も楽しめる、というユニークな仕掛けも。
公式サイト:フジヤマミュージアム |
▼河口湖美術館(富士河口湖町)
富士箱根伊豆国立公園内にある、富士河口湖町立の美術館。
富士山を描いた絵画・版画・写真が中心に展示されています。
公式サイト:河口湖美術館 |
▼四季の杜おしの公園 岡田紅陽写真美術館・小池邦夫絵手紙美術館(忍野村)
四季の杜おしの公園内にある、忍野村立の美術館。
「岡田紅陽写真美術館」は、千円札のデザインの元となった「湖畔の春」など、忍野村から富士山を撮り続けた写真家・岡田紅陽の作品を展示している美術館です。
「小池邦夫絵手紙美術館」は、「絵手紙」というジャンルを確立した書道家・小池邦夫の絵手紙を展示している美術館。絵手紙というスタイルで詩・書・画を表現した世界を創出し、2023年現在も精力的に活動を続けています。
公式サイト:岡田紅陽写真美術館・小池邦夫絵手紙美術館 |
中・西部エリアにある美術館
中・西部エリアにある美術館をご紹介します。
- 山梨県立美術館(甲府市)
- 平山郁夫シルクロード美術館(北杜市)
- 清春白樺美術館(北杜市)
- アフリカンアートミュージアム(北杜市)
- 韮崎大村美術館(韮崎市)
- 南アルプス市立美術館(南アルプス市)
- 笛吹市青楓美術館(笛吹市)
- 近藤浩一路記念南部町立美術館(南部町)
▼山梨県立美術館(甲府市)
収蔵品が1万点を超える、山梨県最大規模の美術館。
「ミレーの美術館」として親しまれており、「種をまく人」「落ち穂拾い、夏」をはじめとした数多くのジャン=フランソワ・ミレー作品を展示しています。
公式サイト:山梨県立美術館 |
▼平山郁夫シルクロード美術館(北杜市)
画家・平山郁夫の名を冠した美術館。
平山郁夫の作品と、平山郁夫が生涯精力的に取材を続けたアジア・地中海地域の陶磁器・織物・仏像などシルクロードコレクションが多数展示されています。
公式サイト:平山郁夫シルクロード美術館 |
▼清春白樺美術館(北杜市)
「清春芸術村」という芸術文化の複合施設内にあり、武者小路実篤や志賀直哉といった白樺派の作家たちが構想していた美術館を実現させたという、めずらしい成り立ちの美術館。
白樺派の作家たちが愛したロダンやルオーの作品のほか、白樺派の活動の中心だった雑誌「白樺」の創刊号から最終号までの全巻など、白樺派関連の資料が展示されています。
▼アフリカンアートミュージアム(北杜市)
紀元前から近代までのアフリカの美術作品を展示する、日本で唯一のアフリカンアート専門美術館。
マスク、立像、装身具、楽器といったアフリカ美術作品のほか、アジアなどの少数民族の美術品も展示されています。
公式サイト:アフリカンアートミュージアム |
▼韮崎大村美術館(韮崎市)
2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞している、大村智博士のコレクションを元に開館した美術館。大村氏の私設美術館として開館しましたが、現在は韮崎市が運営しています。
大村氏が長年収集した、
- 日本近代から現代にかけて活動した女性作家による作品
- 日本近代の洋画壇で活動した鈴木信太郎作品
- 日本近代の民藝運動伝える陶磁器作品
という3つの柱を中心としたコレクション2,000点以上が収蔵されています。
公式サイト:韮崎大村美術館 |
▼南アルプス市立美術館(南アルプス市)
南アルプス市(旧・櫛形町)出身の版画家・浮世絵師「名取春仙」のコレクションを核とした美術館。
名取春仙の役者絵版画を中心とし、郷土にゆかりのある画家の作品が展示されています。
公式サイト:南アルプス市立美術館 |
▼笛吹市青楓美術館(笛吹市)
画家・津田青楓と親交のあった歴史研究家・小池唯則氏が私財を投じて開館した美術館。小池氏の死後は笛吹市立の美術館として運営されています。
親交の深かった夏目漱石の「道草」「虞美人草」などの装丁も手がけている津田青楓は、洋画・日本画・書と幅広い美術作品を残した多才な芸術家。
津田青楓美術館では洋画、デザイン、ポスター約500点が収蔵されており、内約70点を展示。年2回、約30点の展示替えをおこなっています。
公式サイト:笛吹市青楓美術館 |
▼近藤浩一路記念南部町立美術館(南部町)
アルカディア南部総合公園内、アルカディア文化館にある美術館。
南部町(旧・睦合村)出身で「光の水墨画家」と呼ばれた水墨画家・近藤浩一路の作品を常設展示しています。
開館50周年に向け、進化する山梨県立美術館
山梨県立美術館は1978年に開館した、歴史ある美術館。
2028年の開館50周年に向けて、さまざまな取り組みを進めています。
ミレーの美術館」として親しまれる山梨県立美術館
山梨県立美術館は「ミレーの美術館」として知られており、約70点ものミレーの絵を収蔵・展示しています。
通常、美術館は白い壁の展示室が多いですが、山梨県立美術館のミレー・バルビゾン派を中心に紹介している「ミレー館」は、ミレーが出品していたフランスの展覧会会場の壁の色を再現し、深い赤になっています(※)。
(※ミレーを展示している第1室が赤、バルビゾン派を展示している第2室が緑)
「ミレーの美術館」と呼ばれるだけある、ミレーの絵が美しく映えることを考えた美術館です。
山梨県立美術館の取り組み「メタバース実験事業」
山梨県立美術館は開館50周年に向けて、先進的な取り組みを進めています。
そのひとつが、最先端デジタル技術を活用した「メタバース実験事業」。
山梨県は、下記のようなメタバースを活用した実験事業を検討中です。
- 山梨県出身の現代美術作家による作品の展示や、現代美術作家とともにメタバースやNFTを体験するワークショップ
- 美術館内にVR機器等を導入し、常時、誰もがメタバース体験を楽しむことが出来る場の整備
現実の美術館とメタバースを連携し、美術館と一般社会をシームレスに繋げられる未来がやって来るかもしれません。