数値・カルチャー・ストーリーで読み解く、山梨が「挑戦に近い」と呼ばれる理由 

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最終更新日: 2026.03.24
やまなしイノベーションストーリー 山梨の事業支援は次元違い。無尽文化の山梨で生まれる挑戦と衝撃

数値・カルチャー・ストーリーで読み解く、山梨が「挑戦に近い」と呼ばれる理由 

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最終更新日: 2026.03.24

「挑戦に近い県」山梨で生まれつつある成果とストーリー 

山梨県では、2010年代以降、水素・燃料電池、医療機器、スタートアップの実証といった成長分野の支援に力を入れてきました。その支援のかたちは、社会課題に応じてブラッシュアップされ、県として、あるいは地域としても、挑戦する企業を応援するマインドが広がり、しっかりと根付いています。 

また、2020年からは「挑戦に近い山梨」「テストベッドの聖地」という言葉を掲げ、現在ではスタートアップや企業の新事業創出・成長支援の分野で全国的にも高い注目を集めています。 

その背景には、リニア中央新幹線開通に向けた機運の中で山梨県が打ち出した「実証実験サポート事業」や「新事業共創プラットフォーム」などの施策、スタートアップ・経営支援課や新事業チャレンジ推進グループの発足などの組織改革がありました。 

こうした取り組みは複合的に絡み合いながら実を結び、数値として見ても大きな飛躍を見せています。 

数値で見る「山梨県の事業支援の成果」

同時に、インフラ、医療、福祉、精密機器などさまざまな領域で、イノベーションを生み出すストーリーも生まれつつあります。 

しかし、これらの数値やストーリーは、単に「山梨県のサポートが手厚い」というだけで生まれるものではありません。 

実際に「実証実験サポート事業」や、「新事業共創プラットフォーム」などを通じて新たな事業に挑戦している人たちから聞こえてくるのは「山梨にはビジネスチャンスがある」という声。この記事では、彼らが感じている山梨ならではの「ビジネスチャンス」を多角的に紐解き、「挑戦に近い山梨」と呼ばれる理由に迫ります。 

山梨ならではの「ビジネスチャンス」を紐解く5つのキーワード

ハイクオリティやまなしでは、「実証実験サポート事業」や、「新事業共創プラットフォーム」などを通じて、新たな事業に挑戦している人たちや、それを支える民間の支援者のみなさんに取材を続けてきました。

ここからは、その取材の中で見えてきた、山梨ならではの「ビジネスチャンス」をかたちづくる要素を、5つのキーワードでまとめ、わかりやすく紐解いていきたいと思います。

【1】数々のビジネスを生み出してきた「歴史と土壌」

甲州財閥を代表するキーパーソンたち。山梨出身の名だたる実業家が全国各地でさまざまなビジネスを生み出してきた。
画像出典
若尾逸平:山梨県立博物館所蔵
根津嘉一郎・小林一三:国立国会図書館「近代日本人の肖像」 (https://www.ndl.go.jp/portrait/)

山梨の「挑戦する文化」の源流には、自然とともに産業を育んできた長い歴史があります。豊富な水と澄んだ空気に恵まれた甲府盆地では、養蚕やぶどう栽培など、地域資源を活かした産業が早くから発展し、土地に根ざした「自ら産業をつくる風土」が育まれました。 

その自然環境はやがて半導体や精密機器といったハイテク産業を呼び込み、多様なプレーヤーが集積する地へと成長。東京圏からのアクセスの良さも相まって、山梨は「新しい市場を試しやすい土地」として発展を続けてきました。リニア中央新幹線の開業を控える現在、その地の利はさらに強まっています。 

こうした産業の発展を支えてきたのが、明治〜昭和期に活躍した「甲州財閥」の精神です。社会に必要とされる事業を興し、地域のために資金や知恵を循環させる──この価値観は、山梨に「挑戦を応援する文化」として今も息づいています。 自然、産業、そして挑戦の歴史……三つが重なる環境のなかで、山梨は多様な産業やプレイヤーと協働しやすく、新しいビジネスが生まれやすい独自の土壌を築いてきました。まさに、この「歴史と風土」こそが、現在の山梨を「挑戦に近い県」へと押し上げる原動力となっているのです。 

【2】成長分野に対する「先見性」 

「水素・燃料電池の研究開発拠点である米倉山次世代エネルギーシステム研究開発ビレッジ(Nesrad)」

冒頭でもお伝えしていますが、2010年代以降、山梨県は水素・燃料電池、医療機器(メディカルデバイスコリドー)といった成長分野の支援に力を入れてきました。 

一見すると、ただ、新しい分野を先取りしてきたかのように見えますが、それは違います。これからの社会に求められるものを見据え、常に未来の課題解決に向かって進んでいく視点。それは、甲州財閥から連綿と続く歴史とつながるもの。これは、甲州財閥の精神性とも一致します。 言い換えるなら、「社会に必要で、いまこの地にないものは、自ら創ればいい」というベンチャーマインドがあるとも言えるはず。さまざまな成長分野にアンテナを張り、未来に向けた模索が続けてきた地域だからこそ、新しい挑戦に相応しい環境が整えやすいのではないでしょうか。

【3】支援する山梨県側に宿る「ベンチャーマインド」

一般的に「行政の事業支援」と言えば、助成金や伴走支援をイメージする方も多いかと思いますが、山梨県の支援はそういった枠を超えたものへと進化してきました。 

山梨県は実証・実装フィールドを提供する「実証実験サポート事業・社会実装サポート事業」や、ビジネスアイデアの発表やブラッシュアップの場である「新事業共創プラットフォーム」などを次々と打ち出し、民間企業や教育機関、商工団体や金融機関を巻き込みながら「オール山梨」で挑む官民共創の支援体制を確立。助成金や伴走支援に加えて、地域ぐるみで挑戦者を応援するコミュニティづくりまで積極的に取り組んでいるのです。

また、支援の対象となるベンチャーやスタートアップと呼ばれる企業・事業の世界は、変化が激しく、スピード感が重視され、常に柔軟な発想と行動力が求められます。

山梨県では、こうしたカルチャーやマインドを深く理解し、起業家や経営者と顔が見えるコミュニケーションをていねいに重ね、みなさんが目指していること、求めていることに応えられる支援のかたちをいっしょに模索してきました。

つまり、いい意味で行政の職員らしくない距離感、スピード感を持って「おせっかい」を焼いていくのが山梨県の支援スタイル。こうした点もまた、多くの起業家や経営者から「山梨にはビジネスチャンスがある」と言われる理由のひとつです。

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【4】挑戦者を受け入れる「柔軟なカルチャー」

「山梨にはビジネスチャンスがある」と感じている人たちには、地元の方や、山梨県出身者だけでなく、県外からの挑戦者も少なくありません。見ず知らずの土地で新たな事業を立ち上げていく……本来それは、とてもハードルが高い挑戦ではないでしょうか。 

でも、こうした挑戦者を柔軟に受け入れるカルチャーがあることも山梨ならではの魅力。元々、山梨の民間の企業や商工団体、金融機関などの中には「山梨で何かはじめたいと考えている人を積極的に支援しよう」という想いを持った小規模なチームやコミュニティがたくさんありました。しかし、個々が散らばっていてつながりにくく、成果がかたちになりにくい状況でした。そこで生まれた仕組みが「新事業共創プラットフォーム」です。山梨県がまとめ役となり、民間の経営者やビジネスパーソンも運営に参画。ビジネスアイデアの発表やブラッシュアップの場を提供するなど、活発な支援が進められています。

「新事業共創プラットフォーム」の特徴は、事業化前の早い段階……つまり「挑戦」を支援している点です。従来の補助金・委託事業では、資金支援が中心で、伴走支援も委託事業者に依存することが一般的。補助金審査は事業計画が一定整理された段階を想定するため、事業の種を育てるフェーズの支援には限界がありました。

しかし、「新事業共創プラットフォーム」では、金銭的価値の提供ではなく、行政や民間支援団体が有するネットワーク、調整力、実証フィールドといった“非金銭的資本”をフル活用し、共感を軸に、県職員や民間支援者が適度な距離感で伴走・共創することで、より柔軟に挑戦者を受け入れられる環境を整えているのです。

Pick Up! ストーリーズ

【5】テストベッドに適した「コンパクトな規模感」

総面積約4,465平方キロメートル。人口約78万人というコンパクトな地域の中に、第一次産業から第三次産業、大学などの研究機関まで層の厚いプレイヤーが揃い、独自の経済圏を形成している山梨。都市部から農村、過疎地までのグラデーションの中に、多くの課題が眠っているこの地域は、さながら「日本社会の縮図」とも言える場所です。 

つまり、データ収集がしやすく、実証実験を始めるには最適な場所。「テストベッドの聖地」と呼ぶに相応しい環境があります。 

また、少⼦⾼齢化や⼈⼝減少、⾃然災害の頻発・激甚化、地域産業の衰退といった地域課題に取り組む気運も高まっており、2025年には「一般社団法人 やまなしソーシャルイノベーションセンター」が誕生。官民一体になって社会起業をバックアップしています。 
https://www.ysic.jp

プレイヤー同士の顔が見えるコミュニティがいくつもあり、何か困ったことがあれば専門家につないでもらいやすいのもポイント。さらに地元メディアも協力的で、県内の新しい試みをタイムリーに取り上げ、全国に発信して広がっていくという事例も増えてきました。 

コンパクトであるが故に東京都心部に比べてライバルが少なく、特に先進的な事業領域では「地域のトップランナー」として走り出せることから、「山梨はブルーオーシャンだ」と語る起業家もいます。 

Pick Up! ストーリーズ

あなたも山梨で「挑戦の物語」を描いてみませんか

ここまで山梨に秘められた「ビジネスチャンス」をかたちづくる要素をご紹介してきましたが、これはまだほんの一部に過ぎません。まずは山梨に飛び込んで、その魅力を体験していただけたら……と思っています。 

また、ハイクオリティやまなしでは、これからも、山梨で生まれ続ける「挑戦の物語」を積極的にご紹介していく予定です。そこにはきっと、今、まさになにかに挑戦している企業や、これから挑戦をはじめようとしている起業家のみなさんにとって後押しになるようなヒントや知見が隠されているはず。あなたも山梨で「挑戦の物語」を描いてみませんか。

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\「挑戦に​近い​山梨」で生まれた物語/
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