食材の宝庫、山梨県を味わってもらおうと開催された“「美酒・美食王国やまなし」×東京 レストランフェア”。
3月6日(水)~19日(火)の2週間にわたって行われ、都内20店が参加しました。
そのうちのひとつ、「レストラン・ジョンティ アッシュ」を訪ねました。
白金台の駅からほど近いにも関わらず、1本細い道を入るせいか、静かで落ち着いた環境にある「レストラン・ジョンティ アッシュ」。
腕をふるう平野敬祐シェフは、東京・恵比寿の「シャトーレストラン ジョエル・ロブション」出身。フランス料理の技法をベースに、国内外の旬の素材を使い、その持ち味を最大限に活かす料理で定評があります。常に食材探しに余念がありません。
そして、ワインとのペアリングも「レストラン・ジョンティ アッシュ」での食事の愉しさ。支配人/サービスマネージャーの山本浩孝さんも、平野シェフもソムリエ資格保有者。料理にふさわしいワインを紹介してくださいます。
そんな「レストラン・ジョンティ アッシュ」では、「MUNU GENTIL H(ムニュ ジョンティ アッシュ)」で、コースのメインを飾る一品に山梨県の食材、甲州富士桜ポークを使っていらっしゃるとのことで、いただきました。
どんなコースで、どんなお料理で登場するのか、ワクワクしますね。
INDEX
「Le Crab/セコガニのエフィロシェ 白ニンジンのクリームとHALキャヴィアと共に」
脂がのったセコガニ。静岡のキャビアと交互に。下に敷いた白ニンジンのクリームが全体をやさしくまとめてくれます。
「La Truite/富士山サーモンのミキュイ ショーフロワ仕立て ベルガモットでマリネした紅芯大根とバニラのヴィネグレット」
赤で統一させた、見た目も美しい一皿。シャキシャキした紅芯大根と、ベルガモットの爽やかな香り、バニラの甘やかさに、軽やかな気持ちになります。
「Le Foie gras/フォワグラのフォンダン 金柑とカンバリのジュレ パン・デピスのクルスティアンと合わせて」
まるでアシエット・デセールのよう。フォアグラの甘いコク、パン・デピスの程よいスパイス、爽快感のあるジュレが織りなすハーモニー。
「L’Unagipie/うなぎパイN°16」
静岡出身らしいシェフの遊び心あふれる一品。ポール・ボキューズのスペシャリテ「パイ包みのスープ」をうなぎでアレンジ。
「Le Sawara/サワラのプランチャ焼き 生ハムと干貝柱のプイヨンとフカヒレのナージュ」
サワラをふっくらと焼き、生姜を効かせたスープに泳がせて。中国料理を思わせる味わいで、凛とした深さが沁みます。
「Le Porc/ブーダンノワールを射込んだ甲州富士桜ポーク 蕗の薹とピエドコションのコンディモンと蛤のジュのソース」
メインは「甲州富士桜ポーク」を使った一皿です。
クセがなく、肉質もきめ細かい「甲州富士桜ポーク」は落ち着いた味わいが持ち味。そこに、深いコクのあるブーダンノワールを入れ込むことで、いわば対極にある素材の対比がおもしろく、「甲州富士桜ポーク」だけを食べた時と、ブーダンノワールと一緒に食べた時の印象がまるで変わり、一口ごとに新鮮な印象を与えてくれます。
ピエドコション(豚足)の歯応えを少し残しつつとろっとした食感、蕗の薹のほろ苦さと蛤のふくよかさが春を感じさせてくれます。「甲州富士桜ポーク」の断面のピンク色、ソースの緑も美しい。
「甲州富士桜ポーク」を使った感想を、平野敬祐シェフはこのように話してくださいました。
「『甲州富士桜ポーク』は非常に使い勝手がいいなと思いました。いい意味でクセがないので、さまざまな食材を合わせやすい。主役に脇役に汎用性があるのではないでしょうか。今回はメインの料理ですので、脂のきれいさもさることながら、肉そのものをしっかり味わえるようにしました」。
「Les Fruits Rouges/赤い果実のヴァシュラン ココナッツ風味 ショコライヴォワールとモッツァレラチーズのグラスを添えて」
イメージは練乳イチゴ。コクのあるチョコレートとアイスクリーム、イチゴやフランボワーズの甘酸っぱさ、軽やかなヴァシュランが合わさった一皿から、デザートタイムに突入です。
「La Clémentine/スパイシーなサヴァランとせとか シャルトリューズジョーヌのグラス」
サヴァランをグラン マルニエとコアントロー、2つのオレンジリキュールにたっぷり浸して。シャルトリューズの爽やかでやさしい甘みもよく合います。
「Le Café/カフェとミニャルディーズ」
見よ、このプレゼンテーション。最後まで期待を裏切りません。チョコレート、パート・ド・フリュイ、マカロン、フィナンシェ、チョコレート、そしてコーヒーで締めます。
全12品のコースは、「Le Porc/ブーダンノワールを射込んだ甲州富士桜ポーク 蕗の薹とピエドコションのコンディモンと蛤のジュのソース」をはじめ、どれも素材の活かし方に感心することしきり。
ワインともどもすっぽりお腹に収まり、とてもおいしくいただきました。
<店データ>
レストラン・ジョンティ アッシュ
東京都港区白金台5-18-17 GOLD FOREST 2F
TEL 03-5447-8889
https://www.gentil-h.com/
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