「YAMANASHI SDGs FORUM 2024」開催 「SDGs」でコラボした企業にもインタビュー

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最終更新日: 2024.09.30

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「YAMANASHI SDGs FORUM 2024」開催 「SDGs」でコラボした企業にもインタビュー

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最終更新日: 2024.09.30

3月10日(日)、山梨県庁前庭や舞鶴城公園で、SDGsについて楽しみながら学ぶ「YAMANASHI SDGs FORUM 2024」が開催されました。モデル・タレントのトラウデン直美さんとタレント・コメンテーターのモーリー・ロバートソンさんのトークセッションをはじめとする多くの催しがあり、子どもから大人まで多くの方に、SDGsについて学んでいただきました。

「YAMANASHI SDGs FORUM 2024」の概要~ステージやブースで楽しみながら学ぶ~

「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」とは、持続可能な国際社会の実現のため、「住み続けられるまちづくりを」「気候変動に具体的な対策を」など17の目標を国連が定めたものです。

山梨県はSDGsの理念に共感し、「誰一人取り残さない」「持続可能な山梨」をめざしてさまざまな取り組みを進めています。

今年度のフォーラムのキャッチコピーは「見て 感じて 学ぶ SDGs 始めよう、やまなしから」でした。その言葉通り、企業や団体のSDGsに関する取り組みを紹介するブースのほか、県内のスポーツチームによる体験教室、SDGsグルメなど、SDGsの意義をさまざまな形で実感できるフォーラムとなりました。

各ブースでは、企業同士が互いの取り組みを紹介し合って交流を深め、今後の活動に向けたヒントを得ていました。

山梨県産の農産物の販売や、各企業のSDGsに関する取り組み紹介など、多様なブースが並んだ。

ステージでは、県内水素音楽サークル「MIZUNONE」や甲府西高校ダンス部によるパフォーマンスや、甲府第一高校・青洲高校の高校生らによるSDGsに関する発表があった他、山梨県北杜市で農業に取り組む俳優、工藤阿須加さんのトークショーなどがありました。

SDGsに関する取り組みを発表する高校生。SPゲストとして(右から)タレントの村島未悠さん、TikTokクリエイターでタレントの景井ひなさんも発表に耳を傾けた。

やまなしSDGs推進企業によるトークショー

山梨県ではSDGsに取り組む企業を登録する「やまなしSDGs登録制度」を運用しており、令和6年3月現在、552者の県内企業等が登録されています。

この制度に登録される「やまなしSDGs推進企業」4社(株式会社アドヴォネクスト代表取締役 井上雅博氏、アドバンステクノロジー株式会社取締役 石渡光悦氏、株式会社ササキ常務取締役 佐々木麻彩氏、Far Yeast Brewing株式会社代表取締役 山田司朗氏)が、山梨総合研究所の今井久理事長の進行のもと、それぞれの企業が取り組むSDGsを発表したほか、ディスカッションを通して、県内企業がSDGsに取り組む意義を明らかにしていきました。

登壇をした(右から)株式会社アドヴォネクスト 井上氏、株式会社ササキ 佐々木氏、山梨総合研究所 今井氏、Far Yeast Brewing株式会社 山田氏、アドバンステクノロジー株式会社 石渡氏

トラウデン直美さん×モーリー・ロバートソンさんのトークセッション

フォーラムの最後には、モデル・タレントのトラウデン直美さんとタレント・コメンテーターのモーリー・ロバートソンさんのトークセッションがあり、SDGsを進めるために大切なことを語り合いました。

SDGsについて語り合うトラウデン直美さん(右)とモーリー・ロバートソンさん

トラウデンさん)SDGsが解決をめざす課題には、地域が抱える問題も多いですよね。

ロバートソンさん)環境問題、人権問題、経済格差、そしてジェンダー問題は一続きです。1つの問題が放置されると、それが結局は若い女性の県外流出、少子高齢化にもつながるんです。だからこそ、少子高齢化の解決のためには、どの角度からでもアプローチすることはできるはずです。

トラウデンさん)山梨とSDGsの理念は、相性が良さそうですか。

ロバートソンさん)そう思います。地方には、経済成長と地方創生、人口減少対策をどうバランス良く進めていくか、という課題がありますよね。こういった課題に対して、たとえば山梨のように緑が多く、かつ通信もしやすい土地で、仕事とゆとりある子育てを両立させた方が生産性が上がる、という良い循環ができてほしいと思います。

トラウデンさん)地方には東京と同水準の賃金の仕事が少ないという課題もありますが、たとえば、副業で少しずつ地方に拠点を移し、最終的に移住するという人も増えているそうです。まずはお試しから始めていくスタイルは良いと思います。

ロバートソンさん)東京からの移住者だけでなく、インバウンドの呼び込みもカギになってくるのではないでしょうか。甲府に来る途中、インバウンド観光客が大月駅でたくさん降りるのを見たんです。実は自分たちの足元に、気づいていなかったいろんな財産があり、そこから変化を生み出していけるのではないでしょうか。

トラウデンさん)そうですね。「後でやめてもいいから、1回試してみようよ」からイノベーションは生まれてくると思います。若者も年上の世代も一緒になって楽しんでいくことが、SDGsを進める上での一番のポイントではないでしょうか。

ロバートソンさん)SDGsの「S」は「Sustainable」。「1回試してみる」というくらいの感覚が、息切れせず楽しく取り組むためのコツでしょうか。楽しくなれば、その取り組みを友達や家族に紹介したり、つないだりもしやすくなりそうです。そうして周囲とのやりとりが深まれば、さらなるアイデアや取り組みを生み出せるかもしれませんね。

トラウデンさん)地球にとっても人にとっても、心地よくて楽しい取り組みをしていきたいですね。

「やまなしSDGs推進企業」コラボ企業対談

山梨県では、県内においてSDGsに積極的に取り組む企業等の皆様に、「やまなしSDGs推進企業」として、SDGsの達成に向けた重点的な取り組みや、2030年に向けた具体的な指標を宣言していただいています。

その中でも、いずれも推進企業第1期の株式会社セブナ装機(金属焼付塗装)を擁するセブナグループとKEIPE株式会社(障がい者就労支援A型事業所)は、昨年末から連携し、SDGsの取り組みを進めています。

セブナグループの一戸亜土・代表取締役社長とKEIPE株式会社の諸貫裕佑・就労移行支援事業部長に、両社で進めている取り組みや今後の展望を語っていただきました。

セブナグループの一戸亜土・代表取締役社長(左)とKEIPEの諸貫裕佑・就労移行支援事業部長。中央に設置されたセブナグループの手作り看板は、今回フォーラムの看板コンテストで優秀賞に選ばれた。

【事業内容】

セブナ・一戸さん)板金製造業と塗装業の会社として、製造装置のカバーやフレームなどを生産しています。グループ内の「エー・アイ・エーブラスト」で板金を作り、同じくグループ内の「セブナ装機」で塗装をしています。

KEIPE・諸貫さん)私たちは障がい者就労支援A型事業所として、障がいをお持ちの方を社会に送り出し、活躍できる地域づくりをめざしています。事業所ではサポーターが障がいをお持ちの皆様に日々の仕事内容を教え、面談を実施するなど、きめ細かい支援をしています。

【両社のコラボ】

セブナ・一戸さん)障がい者への就労支援を行っているKEIPEさんのことは以前から知ってはいましたが、昨年、県が「やまなしSDGs推進企業」を対象に開いたセミナーで、直接詳しくお話を聞かせていただきました。

KEIPEさんの事業所は、障がいのある方も含め、みんなが同じ空間で仕事をしている雰囲気が、自然で柔らかいんです。もともと、当社をいろんな人が働ける会社にしたいと思っていたこともあり、KEIPEさんの事業所を見て、こんな職場づくりをしたいと思いました。でも私には、どう取り組んだらいいかわからなかったので、昨年末からKEIPEさんに継続的にアドバイスをいただいています。

KEIPE・諸貫さん)障がいのある方を含め、多様な方が働きやすい土壌を作っていくために、私たちが実践してきたことをお伝えしています。今は一戸社長にアドバイスをする機会が多いですが、今後は現場の社員の皆様にも、障がい者雇用のための環境整備のアドバイスや、採用後の定着支援といったサポートをしていきたいですね。現場の社員が障がい者を自然に支えられる「ナチュラルサポート」の体制を構築するのが目標です。

今後は、弊社で支援している障がいをお持ちの方のみならず、今現在様々な理由で働きづらさを感じている方々をセブナグループさんへお繋ぎしていきたいと考えています。

【セブナグループさんが求める人財を弊社が育成をし、基本的な技術を持ったうえで働き始めることができる】そんな流れを一緒に作れると、山梨県内の他の企業様への参考になると考えています。

【今後の展望】

セブナ・一戸さん)現在、新規事業として始めている粉体塗装熱転写システムはマニュアル化や繰り返し作業ができる仕事のため、まずはそこで障がいのある方々を雇用し始めたいと思っています。

ただ、「健常者」「障がい者」といった区別のない会社にしたいので、将来的に「障がい者を何人雇用する」といった目標はありません。当社の理念に共感し仕事に取組みながら人生を豊かに育みたい方には、障がいの有無などの事情にかかわらず、大いに活躍してほしいと思います。

KEIPE・諸貫さん)2030年、2040年に向けて、山梨県内の企業の障がい者雇用率やその実態を全国トップレベルまで引き上げたいので、まずは多様性を大事にするムードをつくっていくことが大切だと思っています。

そのためにも「精神障がいがあるから接客業ができない」といった世の中の思い込みを丁寧に取り除いていきたいですが、私たちが口で言うだけでは意味がありません。まずは自社の中で障がいをもつ方々にさまざまな場面で活躍していただき、その姿を見てもらいたいです。そして、障がいのある方々をどんどん社会に送り出していきたいですね。

まとめ~山梨県とSDGs~

「YAMANASHI SDGs FORUM 2024」を通じて、参加企業や参加者の皆様は、楽しみながらSDGsの意義について学んでいました。今後のイノベーションや連携につながる発見もあったのではないでしょうか。

これまで山梨県は、SDGsの理念に共感する企業同士がともに新たなイノベーションを生み出す可能性に期待し、こうしたフォーラムの開催や情報発信、普及啓発を進めてきました。

実際にセブナグループとKEIPE株式会社のような連携が生まれていることはうれしく思っています。今後もこうした事例を増やすため、山梨県はSDGs推進の取り組みを続けていきます。

フォーラム終了時に記念撮影に応じる(右から)トラウデン直美さん、村島未悠さん、景井ひなさん、モーリー・ロバートソンさん、工藤阿須加さん

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