SDGsを推進するため、全国に先駆けてさまざまな取り組みをおこなう山梨県。
「サステナブルな地域・社会はイノベーションの基盤になり、富を生み出す原動力になる」という考えのもと、SDGsに関する活動をおこなっています。
この記事では、山梨県のSDGsに向けた取り組みのほか「やまなしSDGs推進企業」を紹介します。興味を持った方は、2023年2月9日(木)に開催される「YAMANASHI SDGs FORUM 2023」で、ぜひSDGsに触れてみてください。
INDEX
SDGsに向けた山梨県の取り組み
SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で「持続可能な開発目標」のこと。
サステナブルな社会を実現するために、私たちは日々どのように生活していくべきなのか、目標として掲げたものがSDGsです。
この「サステナブルな社会」を作るため、山梨県が独自におこなっている取り組みをご紹介します。
農業に関するサステナブルな取り組み
山梨県産の農畜水産物のブランド「おいしい未来へ やまなし」。
「おいしい未来へ やまなし」は、SDGsの観点から「アニマル・ウェルフェア」「4パーミル・イニシアチブ」などの取り組みをおこなっています。
▼アニマル・ウェルフェア
「アニマル・ウェルフェア」とは、家畜のストレスを減らし、苦痛を最小限とした飼育環境を目指す考え方のこと。「家畜の生活は、行動欲求が満たされた健康的なものであるべき」という畜産のあり方です。
日本ではなかなか世論が高まりませんが、海外ではESG投資家の目が厳しく、国際的な食品メーカーのアニマル・ウェルフェアの取り組みについて注目が集まっています。
そんな中、山梨県は2021年、全国の自治体で初めてのアニマルウェルフェアの認証制度「やまなしアニマルウェルフェア認証制度」を創設。全国に先駆け、持続可能な畜産に取り組んでいます。
▼4パーミル・イニシアチブ
「4パーミル・イニシアチブ」とは、土壌に含まれる炭素を増やす活動のこと。
土壌中の炭素量を1年間あたり0.4%増やすことによって、人間が経済活動で排出する二酸化炭素と相殺し、地球温暖化を抑制するという取り組みです。
山梨県は、この「4パーミル・イニシアチブ」に日本の自治体として初めて参加。2021年5月には「やまなし4パーミル・イニシアチブ農産物等認証制度」を制定しています。
次世代エネルギーに関するサステナブルな取り組み
山梨県は「グリーン水素」をはじめとした、次世代エネルギーの普及に取り組んでいます。
グリーン水素とは、再生可能エネルギーに由来した余剰電力を利用して生成した水素のこと。水素を生成する過程で二酸化炭素を排出しないため、次世代エネルギーとして注目されています。
山梨県は、この過程で使用されている「P2Gシステム」の研究に官民共同で取り組んでいます。
▼関連URL
次世代につなげる、持続可能な社会へ。今、なぜサステナブルが必要なのか | ハイクオリティやまなし – High Quality Yamanashi
先進的な取り組みをおこなう「やまなしSDGs推進企業」を紹介
SDGsに関して、企業は具体的にどのような取り組みをおこなっているのでしょうか。
2023年2月9日(木)に開催された「YAMANASHI SDGs FORUM 2023」にてブースを出展し、”山梨県内の企業や自治体が取り組むSDGs”として自社の取り組みを紹介していた企業に話を伺いました。
※「やまなしSDGs推進企業」とは、県が創設した「やまなしSDGs登録制度」に登録した企業や団体
※五十音順
株式会社アドヴォネクスト
私達(株)アドヴォネクストは「環境印刷」をテーマに環境にも人にも優しい印刷を提供しております。
具体的には、使用するインクを石油系溶剤を1%未満の抑えた、植物油インクよりもさらに進んだ環境に優しいNON VOCインクの使用や、用紙はFSC森林認証用紙など環境に配慮した紙の積極的な利用促進を行っております。
また、甲斐の国百景という名前で、まちなみイラストを通じて地域の魅力を発信することで地域を活性化するという活動を行っています。
燻製屋響
ワイン県やまなしの「ワイン」に合う、関東の酒蔵やまなしの「日本酒」「ウイスキー」「ビール」に合うスモークおつまみの開発をおこなっています。
商品開発では、普段捨ててしまう部分の食材を使用し、フードロスを考慮。また、スモークする際のチップも、くだもの大国やまなしのさくらんぼ・もも・ぶどうの剪定枝をチップとして使用しています。
畑で燃やす手間を省き新たな資源として再利用することで、CO2排出量の削減やその他環境問題や地域課題にも取り組んでいます。
有限会社創美社
弊社は、クリーニング事業、洗剤製造販売事業、汚水処理事業を行っています。その中で、長年にわたりグリストラップを通して、油脂汚泥分解のシステム開発に取り組んできました。その結果、油脂汚泥の減少、悪臭問題の改善、水質の向上等の良好な結果が得られるようになりました。
また、油脂汚泥システムを応用することにより、浄化槽、家畜等のし尿処理、山小屋のトイレ、池の水質改善が可能になります。
汚泥減少や水質改善を実現することにより、企業の産業廃棄物処理経費の削減及び環境保全の一助になります。 排水をきれいに、産業廃棄物を出さないことを目標に環境改善からSDGSの達成に向け取り組んで参ります。
たとみ農園株式会社
たとみ農園では、「食料の供給」「環境を保持する」といった作ることから生まれる責任を考え、水稲栽培における4パーミル・イニシアチブで中干しの延長・稲刈り後の稲藁を燃やさない・緑肥の投入(れんげ)を実行し持続可能な農業に取り組んでいます。
また地元の中央市さんと連携して「れんげプロジェクト」に参加し、れんげを緑肥として使うだけでなく、春に咲いたれんげを活用して魅力ある中央市の発信のお手伝いを行っております。
株式会社Toshin
株式会社Toshinは国連が提唱する「持続可能な開発目標」を支援し、 持続可能な社会の実現に向けて事業を展開していくことが重要だと考えます。
日本は比較的降水量が豊富でありますが、地球温暖化による平均気温の上昇に伴い、 近年は度々渇水が発生しております。株式会社Toshinは、水道事業に携わる企業として、 水資源を有効に利用する方法を日々模索し、さまざまな節水商品を開発しております。
節水器具を応用した浴室用シャワーヘッド(AngelAir)は、 お湯を節約する「節湯」によって、 水資源だけではなく、給湯に必要な燃料を削減し、 地球温暖化の原因とされるCO2削減にも寄与致します。
BE.ナショナル株式会社
BE.ナショナル株式会社は、山梨県内外の理・美容室へプロフェッショナル用商材とSDGsへの取り組みとして、人と環境の美しさを両立させたオーガニックヘアケア商材及びブランドの普及、ライフスタイルを提案しています。
Far Yeast Brewing株式会社
小菅村に醸造所を構える当社では、2020年より地元素材の活用はもちろん地域課題やフードロスなど社会課題への取り組みを、県内の生産者・事業者のみなさまとビールという形で共創しています。
ユニークな製品とともに山梨の魅力を国内外へ発信することで地域貢献を目指しています。
NPO法人マイプラ対策室
「YAMANASHI SDGs FORUM 2023」に参加しました。
山梨県有林のFSC認証間伐材を使った「FSC認証紙」と「認証木材」を使っての「プラスチック代替製品」と、制作過程で障害者施設と連携しながら雇用の創出につなげている活動を紹介しました。
製品化出来ている「FSC認証紙ストロー」を来場者に実際に使ってもらうことにより、紙のストローでも違和感のない口当たりを体感してもらう良い機会となりました。
三好アグリテック株式会社
弊社は、イチゴ、サツマイモ、ワサビの種苗メーカーです。
画像は、環境にやさしいイチゴ「ベリーポップシリーズ」で、通常のイチゴと違い、ベリーポップは種子増殖させる事ができます。弊社が民間企業として日本で初めて開発に成功しました。
種子繁殖により、苗生産に必要な期間と面積を大幅に減らすことができ、重油、農薬、肥料、水などの削減につながります。外部の試算で41%のCo2削減効果が示されました。画像のパッケージを見た際には、環境にやさしいイチゴを手に取って「食べるSDGs」に参加してみてください。
YAMANASHI MTB 山守人
「YAMANASHI MTB 山守人」では、マウンテンバイク活動を通じて、山間部の課題に向き合い、山道の整備、地域活動のお手伝い、耕作放棄地対策、獣害対策等に取り組んでいます。また、マウンテンバイク体験の機会を通じて、子供たちへ山梨の自然や山林、歴史文化の魅力を伝えていく活動を続けてまいりました。
首都圏に隣接した好立地を活かし、首都圏や海外の人々に対しても、自然アクティビティ観光としての山梨の魅力をマウンテンバイクを通じて発信していきます。
株式会社YSKe-com
当社はCSR(企業の社会的責任)活動と連携して、SDGsが掲げる地球環境や地域の社会活動に貢献しています。SDGsの考え方を事業にも統合するために、ホームページでは当社独自の活動をブログで発信。社内SDGsセミナーを開き、カードゲームやエコバッグを作製するワークショップなどを通じて社員の理解を深めています。
社員一人一人が「できる事から」をモットーにした取り組みを継続。通年フードドライブを開催、年末にはカレンダーや手帳、使用済み切手を寄付。環境負荷の低減を図るため、電気自動車用急速充電器も整備しました。持続可能な社会の実現と発展を推進しています。
「やまなしSDGs推進企業」第1期登録企業を紹介!
山梨県は、2022年秋に「やまなしSDGs登録制度」を創設。登録した企業や団体を「やまなしSDGs推進企業」として、持続可能な山梨県を実現すべくSDGsに積極的に取り組んでいます。
▼第1期 登録団体・法人(登録日:2022年12月1日)
「やまなしSDGs推進企業」第2期登録企業も募集中
SDGsへの取り組みの輪をさらに広げるため、山梨県では「やまなしSDGs推進企業」の第2期登録団体・法人を募集しています。
詳しい内容はこちらのサイトをご確認ください。
▼やまなしSDGs登録制度について
https://www.pref.yamanashi.jp/seisaku/sdgs/touroku.html
※申請受付期間:2023年1月1日(日)~2月28日(火)まで
「YAMANASHI SDGs FORUM 2023」開催決定!
2023年2月9日(木)アイメッセ山梨にて、山梨県のSDGsへの取り組みの輪を広げるべく「YAMANASHI SDGs FORUM 2023」が開催されます。
当日は「スペシャルスピーカーによるトークセッション」「やまなしSDGs推進企業が取り組むSDGsについての紹介ブースの出展」などのイベントを予定。山梨県民でSDGsについて考え、NEXT山梨へ向けた取り組みを始める機会になります。
開催日時 | 2023年2月9日(木)10:00〜16:00 |
会場 | アイメッセ山梨 展示ホール(配信あり) |
入場料 | 無料 |
ゲストスピーカー | 岸 博幸 氏(慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授) 辻 愛沙子 氏(株式会社arca代表取締役) 古市 憲寿 氏(慶應義塾大学大SFC研究所上席所員) |
公式サイト | 山梨県/YAMANASHI SDGs FORUMについて |