「おいしい未来へ やまなし」サスティナブル体験メディアツアーに参加!

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最終更新日: 2024.02.26

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「おいしい未来へ やまなし」サスティナブル体験メディアツアーに参加!

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山梨県では、農畜水産物ブランドとして「おいしい未来へ やまなし」を掲げています。
持続可能な開発目標、いわゆる「SDGs」の実現に向けた施策や、食の安全性の追求など、農畜水産物の未来を育んでいます。

「おいしい未来へ やまなし」のロゴマークは、山梨県らしさを表す富士山の中に、農畜水産物を意味する●、未来の輝きを表す星がデザインされたもの。てっぺんの星は未来へ向かうイメージ

山梨県の「おいしい未来へ やまなし」6つのストーリー

「おいしい未来へ やまなし(*1)」は、以下の6つのストーリーから構成されています。

1.ハイクオリティな未来
大切な人への贈り物や、自分へのご褒美に最適な、産地が誇るハイクオリティな農畜水産物がたくさんあります。

2.サスティナブルな未来
農業分野からCO2の削減を目指すなど、SDGsに貢献する方法で生産しています。

3.オンリーワンの未来
オリジナル品種や伝統野菜など、「やまなし」にしかない食材があります。

4.安心安全な未来
消費者に安心してもらえるよう、生産から出荷までの生産工程管理を徹底しています。

5.ゆたかな環境の未来
山々から生み出される清流や湧き水、長い日照時間など、豊かな自然の中で、「やまなし」の農畜水産物は、育まれています。

6.匠のつくる未来
果樹王国を築き上げた生産者の熟練の技術とこだわりは、すべての「やまなし」産農畜水産物の生産へも通じています。

*1 引用元:「おいしい未来へ やまなし」について(山梨県公式サイト)

https://www.pref.yamanashi.jp/oishii-mirai/logo.html

「おいしい未来へ やまなし」を広める活動の一環として、山梨県の魅力を知ってもらう「サスティナブル体験メディアツアー」が開催されました。訪問先は「黒富士農場」「ハイジの村」「ドメーヌヒデ」の三箇所。

黒富士農場では、山梨県が推進する「家畜にストレスを与えない」環境を徹底する、アニマルウェルフェア(*2)の取り組みを学びます。ハイジの村では、「おいしい未来へ やまなし」を体現する、やまなしグルメの数々をいただきます。最終訪問地のドメーヌヒデでは、地球温暖化の抑制に貢献する取り組みである、4パーミル・イニシアチブ(*3)を体験する、盛りだくさんのツアーです。

都心部から甲府市まで車で約2時間、特急電車ならば約1時間半で到着

*2 アニマルウェルフェア

家畜福祉や動物福祉と言われている取り組みで、家畜たちの快適な環境を追求する考え。5つの自由「不快からの自由」「正常な行動発現の自由」「飢えと渇きからの自由」「痛み・苦痛からの自由」「恐怖や苦悩からの自由」を守ることで、安心安全な畜産物生産と生産性の向上に繋がるとされています。

*3 4パーミル・イニシアチブ

2015年にフランス政府が提案した取り組みで、世界の土の中の炭素量を年間0.4%増加させれば、経済活動によって増加する二酸化炭素(CO₂)を実質ゼロ、帳消しにできるという考え方に基づく国際的な取り組みです。山梨県は全国の自治体では初めて参画しています。

黒富士農場でアニマルウェルフェアを知る

最初の目的地は「黒富士農場」(山梨県甲斐市上芦沢1316)。案内役は、山梨県農政部とJALふるさと応援隊の皆さんです。
お話を聞きつつ、バスの車窓から覗く富士山を眺めていると、気付けば周囲は一面山。窓を開けると、心地よく冷たい、木々の薫りを含む風に癒やされます。

バスでの移動中、頻繁に富士山が車窓から見え、それだけで羨ましいと感じてしまう山梨県

進むにつれてどんどん狭くなる道。生い茂る木々を抜けると、不意に視界が広がり、広大な農場に到着。周り一面、澄んだ空気に包まれ、傾斜になって広がる草原の向こうには山々と甲府盆地が見える絶景です。

木々が生い茂る山を抜けると「黒富士農場」の入口
傾斜は草原のように広く、農場とは思えない絶景が広がっています

黒富士農場では、山梨県が推進している「アニマルウェルフェア」の取り組みを実践しており、鶏にストレスを与えない環境を徹底しています。17ヘクタール(東京ドーム約3.6個分)の広大な敷地に、18の鶏舎があり、6万5千羽の鶏が飼われています。
衛生管理を徹底している黒富士農場に入るには、バスから降りる前から靴を二重でカバー。全身防護服と手袋を着用し、新しいマスクに取り替えます。土壌はもちろんのこと、鶏や働く人たちに菌やウイルスを付着させてはならないのです。

ツアー参加者は防護服を着用し、農場の説明を受けました。ここから先の農場内へは防護服を着用した人のみが入れます

鶏にストレスを与えない環境づくりとして、18鶏舎あるうちの15鶏舎ではケージではなく平飼いで放牧されており、鶏は運動場で十分に遊びます。

鶏舎の扉が開くと目の前が遊び場になっていて、鶏たちはのびのびと自由に歩き回れます

鶏をより良い環境で育てるべく、農場内でBMW技術(*4)によって作られたBM活性堆肥を鶏舎に敷き、臭いを防ぎ、衛生的な環境を保っています。

土のように見えるものは茶殻などと放線菌を混ぜて発酵させているBM活性堆肥
鶏舎を取材するツアー参加者たち。衛生的環境を徹底して守るべく、この日は鶏舎の近くに行くことはできませんでした

鶏の餌にはNonGMO飼料(遺伝子組み換え作物を使用していない飼料)や、有機飼料を使っており、有機JAS認証(農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として自然界の力で生産された食品)を得ています。

農場見学のあと、有機飼料で育てられた鶏の卵「リアルオーガニック卵(*5)」を使用したバウムクーヘンをいただきます。口当たりが優しく、バウムクーヘンの層ひとつひとつが柔らかくほぐれます。このバウムクーヘン「有機ばうむ」は、日本初の有機JAS認証バウムクーヘンです。

リアルオーガニック卵の実物もありました。生産数が少ないのと、美味しい評判ですぐに売り切れてしまうとのこと
ロッジでは「黒富士農場」の有機JAS認証バウムクーヘン「有機ばうむ」の試食ができました。食べた瞬間からホロホロととろけ出し、口の中に上品な甘さが広がります

*4 BMW技術・BM活性堆肥
Bはバクテリア、Mはミネラル、Wはウォーターを意味する略語で、岩石、腐葉土、水などによる自然浄化を基礎とした農法です。「黒富士農場」では茶殻や放線菌などを使い、農場内で発酵過程を経て鶏舎の床に敷くなどし、臭いの軽減やハエ発生の抑制など環境改善に役立てています。

*5 リアルオーガニック卵
遺伝子組み換えされた素材は使用せず、有機栽培で育てられた有機飼料で育てた鶏卵。有機JAS取得が極めて難しいとされている鶏卵ですが、リアルオーガニック卵は有機JASを取得しています。生産数が限られている希少な鶏卵で、この「黒富士農場」では18鶏舎のうちの3鶏舎のみで作られています。

ハイジの村で魅惑の山梨グルメを味わう

つぎの目的地は「山梨県立フラワーセンター ハイジの村」(山梨県北杜市明野町浅尾2471)。

「アルプスの少女ハイジ」の世界観をモチーフとして作られたテーマパークで、アニメの舞台となったスイス・デルフリ村の風景を思い浮かばせる絶景が楽しめます。

大きな「ハイジの村」の看板が入口にありました。いまだに愛され続けているアニメ作品だけに、この看板で心が躍る人は少なくないのではないでしょうか
ハイジの村に入れば、そこはもう「アルプスの少女ハイジ」の世界。ヨーロッパの街並みを彷彿とさせます
ハイジの村の「パノラマ花壇」の解放感と美しさはここだけの絶景といえるでしょう
取材時期は11月でしたが、色とりどりのたくさんのバラが咲いていました

園内のレストランで、山梨県産の食材を使用した料理の数々に舌鼓を打ち、山梨県産のワインを堪能しました。

通常は「ハイジの村」で出されている料理ではありませんが、今回は特別に山梨県産にこだわった料理をふるまっていただきました。「おいしい未来へ やまなし」として、山梨県がブランド銘柄の基準を満たしていると認めた食材も豊富に使われています。

ハイジの村のレストラン「ボルケーノ」にて、山梨県食材を使用した絶品料理を頂きました
山梨県産の食材を活かした、色鮮やかなお料理。絶妙のコンビネーションに舌鼓を打つ

どの料理も、コンビネーションやマリアージュを考えて作られたもので、山梨県産食材の魅力がストレートに伝わる逸品でした。幸せに満たされて、最後の目的地へ向かいます。

脱炭素に取り組むドメーヌヒデでジビエと「赤ワインのマリアージュ」を知る

最後の目的地は、ぶどう畑「神の畑」(山梨県南アルプス市在家塚1719-1)。ここはブティックワイナリー「ドメーヌヒデ」(山梨県南アルプス市小笠原436-1)が管理するぶどう畑で、ツアー参加者が到着するなり、ジビエとワインでもてなしていただきました。

自然あふれる風景を眺めつつ、バスはぶどう畑がある南アルプス市へと向かいます
ぶどう畑に用意されていたのは「やまなしジビエ」の鹿肉と山梨県産のワインでした
ワインはドメーヌヒデの「ぶち」と「神の畑」が用意されていました

そもそもドメーヌとは何でしょう? 自社の畑でワイン生産をするワイナリーのことで、2021年11月現在「ドメーヌヒデ」には約2ヘクタール、6か所の畑があります。ワイナリーの代表・渋谷英雄さんが日本各地、46か所の果樹畑に水を撒いたのですが、もっとも水はけが良い場所として「神の畑」が選ばれたとのこと。開墾前に枯れた果樹の木が24本あり、うち1本だけ奇跡的に生き残っている柿の木がありました。その場所に神棚があったため、いつからか「神の畑」と呼ばれるようになりました。

もっとも水はけが良い場所と認められた「神の畑」
この「神の畑」で取り組まれている「4パーミル・イニシアチブ」について解説を受けるツアー参加者

「ドメーヌヒデ」の取り組みで特に興味深いのは、脱炭素社会につながる「4パーミル・イニシアチブ」の取り組みです。剪定したぶどうの枝を炭にしたバイオ炭やワインのしぼり粕から作った堆肥を土に施すこと、また、草を生やしたままで畑を管理する草生栽培を行うことが土壌に炭素を貯留し、大気中の二酸化炭素の低減に貢献します。

ジビエと赤ワインを堪能しつつ、バイオ炭を作る工程を見せていただきました。ぶどうの枝を剪定して乾燥させ、燃やしてバイオ炭にします。枝を燃やしきらずに炭にして土壌に埋めることで効率的に炭素を地中に貯留することができます。こうした取り組みの実践により、「ドメーヌヒデ」は、山梨県のワイナリーとしては初めて4パーミル・イニシアチブ認証を受けています。

バイオ炭を作るようすを実演。剪定したぶどうの枝を集め、燃やしてバイオ炭を作ります
キャンプファイアーのごとくツアー参加者の目の前で燃やされ、炭化されるぶどうの枝

キャンプの焚火のように燃えるバイオ炭を見ながらツアー参加者が舌鼓を打っていたのは「やまなしジビエ(*6)」の鹿肉。自然あふれる山梨県丹波山村で獲られた鹿肉で、旨味濃厚で、ロゼ色の赤身から溢れる肉汁も薫り高く感じました。

用意されたジビエはもちろん「やまなしジビエ」のニホンジカ。ソーセージなどの加工品にもジビエが使われています
ベリーソースのフレッシュでビターなテイストがジビエの赤身を引き立てます

ぶどう畑でジビエを堪能するだけでも素晴らしいのですが、用意されていたのは「ドメーヌヒデ」の赤ワイン「ぶち」と「神の畑」にさらに感動。どちらもジビエとの相性は抜群です。

赤ワイン「神の畑」が生まれた「神の畑」で「神の畑」を飲むという贅沢

*6 やまなしジビエ
山梨県は独自の認証制度「やまなしジビエ」を創設。獲れたニホンジカを処理する事業者に対しての認証制度で、施設認定と処理された食肉の認証の二段階制になっています。山梨県内の野生鳥獣による農林被害は3億円以上とのレポートがあり、その4割がニホンジカ被害。ニホンジカの捕獲数は年々増加しており、令和2年では16,458頭捕獲され、515頭が処理され活用されています。「やまなしジビエ」の認証制度によりニホンジカの有効活用率が増えることが期待されます。

サスティナブル体験メディアツアーを終えて

これまでも、ぶどうやほうとうを始めとするグルメと、富士山や富士五湖など豊かな自然環境で知られていた山梨県ですが、今回のツアーで観たものやいただいた料理は、すべて初めて体験するもので、新たな山梨県の魅力を知ることができました。

「おいしい未来へ やまなし」を象徴するアニマルウェルフェアや、4パーミル・イニシアチブなど、今だけではなく未来にも、おいしさを残そうとするSDGsの取り組み。それらが読者のみなさんに伝わり、山梨県を訪問するきっかけになって、また新たな人に伝わっていく……この記事がサスティナブルな山梨県を伝えるはじめの一歩になれたらと願っています。

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