山梨が誇る美酒美食の頂点へ〜二人の人気シェフが彩る一日限りのコラボ自然の恵みを五感で味わう「Four Hands Dinner」〜匠の技とこだわりに迫ります

美酒・美食体験
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最終更新日: 2025.03.28

山梨が誇る美酒美食の頂点へ〜二人の人気シェフが彩る一日限りのコラボ自然の恵みを五感で味わう「Four Hands Dinner」〜匠の技とこだわりに迫ります

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最終更新日: 2025.03.28

上質で特別な心踊る美酒・美酒美食体験をやまなしで。

山梨県は、二人の人気実力派シェフによる「Four Hands Dinner」を開催しました。このイベントでは、別ジャンルの二人のシェフが一つのコースメニューを共同制作。山梨県産の食材をふんだんに使用し、美しい自然を背景とした空間で、参加者に最高の美酒・美食体験を提供しました。

本記事では、2024年11月30日(土)に行われた特別ダイニングの様子に迫ります。

記憶に残る至福のひととき「Four Hands Dinner」

今回の「Four Hands Dinner」は、日本最大級の若手料理人コンペティションである「RED U-35」の受賞シェフによるコラボレーション。二人の実力派シェフがジャンルの垣根を越え、心躍る上質な体験を織りなす特別な一日となりました。

特別メニューを提供したのは、東京・西麻布で完全紹介制レストランを営む米澤文雄シェフと、山梨県富士吉田市出身で2024年にレストラン・オーベルジュ「nôtori(ノウトリ)」を忍野村にオープンした堀内浩平シェフ。

当日は、食材の宝庫である山梨の虜になったシェフ自らが、一皿一皿に込められたストーリーや想いを披露しながらメニューを提供。料理(作品)の背景を知ることで、味わいはさらに深みを増し、その場にいる全員が、単なる満腹感を超えた「至福のひととき」を共有できたことでしょう。

米澤シェフと、堀内シェフ、それぞれ東京、山梨で活躍されているお二人に、今回のコラボに対する想いや、山梨の食の魅力について伺いました。

米澤シェフ:堀内シェフの探究心に脱帽。レベルの高い山梨野菜を東京のレストランでも使いたい。

――本日のコラボはいかがでしたか。
堀内シェフの探究心と食材の発掘力に驚きを感じました。東京都内のレストランで料理を作っていると、自分で野草を採ってくるという発想にはなかなかならないですよね。そういった自然の食材を使う機会も非常に少ないので、勉強になりました。

――山梨の食材の魅力をどう感じましたか。
野草も農家さんが作った野菜も味わいが濃くて本当においしかったので、山梨の食材はすべてレベルが高いと感じました。東京の自分のレストランでも使ってみたいです。

堀内シェフ:米澤シェフの料理から感じた山梨食材のポテンシャル。その食材の多彩さ、魅力を発信していきたい。

――本日のコラボはいかがでしたか。
米澤シェフは山梨の食材を使いつつも、アメリカのレストランでの経験を活かした料理を出してくださいました。私にない引き出しをお持ちで、「山梨の食材でも、こう使うと海外っぽい料理に仕立て上がるんだ」という新たな発見がありましたね。山梨の食材のポテンシャルを感じたコラボでした。

――山梨の食材の魅力をどう感じていますか。
海がない山梨県ですが、富士北麓地域のほか郡内地方、国中地方などさまざまな地域があり、気候も文化も少しずつ異なる多様性があります。地域ごとに特産物があり、特にぶどうなどの果樹は他に並ぶ県がないのではと思うぐらい魅力的です。もちろん山の幸もふんだんにあります。良い食材、個性のある食材を作っている生産者も多くいらっしゃるので、私がそんな食材の魅力を発信できたらいいなと思います。

二人のシェフは、それぞれの料理スタイルや技術を融合させながら、「山梨らしさ」x「高付加価値」を突き詰めた特別コースを完成させました。

一日限りの特別コース~「山梨らしい、美味しさ」を追求した「今っぽい」料理~

会場となった「nôtori(ノウトリ)」は、堀内シェフが2024年8月23日、山梨県南都留郡忍野村にオープンしたレストラン・オーベルジュです。掲げる料理ジャンルは「富士北麓キュイジーヌ」。この土地で育った堀内シェフの思い出と富士北麓地方の歴史風土を合わせ、『記憶』をテーマにした施設です。木々に囲まれ、こぢんまりとした温かな空間が広がります。

そして、以下が米澤シェフと堀内シェフが考案した、山梨の食材を生かした特別メニューになります。

~メニュー一覧~
鬼胡桃
馬肉 伯爵芋
陸作信玄海老 グラスフェッドミルク
大岩魚のコンフィ
芽吹き
柿ソルベ
ジャージー牛のパストラミ
やさいめし
苺 黒文字 檀香梅

飲み物もそれぞれの料理に合わせ、山梨県産ワインや日本酒、また南部町で栽培されている南部茶などが提供されました。

1皿1皿の作品に込められたストーリー

イベントではシェフがそれぞれの料理について、食材の特徴や調理法、料理に込めた想いやストーリーを説明しました。一品ごとにご紹介します。

鬼胡桃

最初に登場したのは、胡桃をふんだんに使った香り豊かな一品。粗く刻んだ胡桃にペースト状の胡桃や玉ねぎを加え、上にハーブを飾っています。さらに胡桃の木から採取した樹液を煮詰めたシロップを垂らし、ほのかな甘みと香りをプラス。糖度が控えめで、メープルシロップとはひと味違う上品な味わいが食欲をそそります。
器も地元・身延町の作家によるもので、一口目から山梨のクラフトと食文化を同時に楽しめる、そんなワクワク感が漂いました。

鬼胡桃

馬肉 伯爵芋

堀内シェフのお父様が生産する「伯爵」という品種のじゃがいもを使い、馬刺しのイメージを独自のスタイルで表現した料理です。伯爵芋をくり抜いた中には、サーロインやモツなど部位の異なる馬肉を細かくした“ユッケ”のような具をぎっしり詰め込み、山梨県産ライムを炭にして香りづけに使用。
温泉卵を固めてペースト状にした卵のクリームなども合わせており、ピリッと辛いナスタチウムがアクセント。奥深い旨味と優しい食感が絶妙に絡み合う一品です。

馬肉 伯爵芋

陸作信玄海老 グラスフェッドミルク

手長エビを陸上養殖した「陸作信玄海老」を背中から開いて薄くたたき、米粉を加えた大塚にんじんのピューレやレモンのペーストとともにいただきます。その下には、ジャージー牛のストラチャテッラと洋梨をオリーブオイルで和えたクリーミーなソースが潜み、甲州の熟成した白ワインビネガーが爽やかな酸味をプラス。
エビと野菜、そしてミルクのコクが一体となり、甘酸っぱさとクリーミーさが絶妙に折り重なる逸品に仕上がっています。

陸作信玄海老 グラスフェッドミルク

大岩魚(イワナ)のコンフィ

大岩魚をハーブで風味づけし、40℃ほどの低温でじっくり火入れした一皿。下には、白菜をオリーブオイルで柔らかく煮込んだものと、ジンの香りをほのかにまとった大岩魚の卵が添えられています。
さらに大岩魚の皮を巻いて揚げたパリッとしたチップをトッピング。卵のプチプチ感としっとり火の通った大岩魚の食感が見事に調和し、自然の恵みを存分に楽しめる味わいです。

大岩魚のコンフィ

芽吹き

“野草”と“ジビエ”をテーマにした力強い一品。猪のロースや鹿肉を使い、ジビエからとった出汁ソースに黒にんにくや玉ねぎのピューレを加えています。そこに、堀内シェフが自ら摘んだ10種類ほどの野草をたっぷりのせました。一口ごとに野草それぞれの個性が重なり合う、刺激的な味わいです。

芽吹き

柿ソルベ

富士山麓に自生する香木「アブラチャン」の香りを移したクリームの上に、あっさり爽やかな西村早生柿のソルベをトッピング。ジビエの後にぴったりな箸休め的デザートで、クリームの独特な香りと柿のフレッシュな甘みが口の中をリセットしてくれます。

柿ソルベ

ジャージー牛のパストラミ

アメリカではおなじみの燻製肉「パストラミ」を、山梨県産ジャージー牛で仕上げたスペシャルなメインディッシュです。塩漬けして火を通した肉をスモークし、きのこの旨みとハーブの香りが詰まったコンソメスープをかけていただきます。
やさしい味わいが続いたコースの中で、塩気とスパイス感が“パンチ”を与えてくれる一品。しいたけと合わせて食べれば、さらに奥深い味わいが広がります。

ジャージー牛のパストラミ

やさいめし

堀内シェフが幼少期に食べていた“おふくろの味”を現代風にアレンジ。にんじんやしめじなどを混ぜ込んだほっこりする炊き込みご飯で、どこか懐かしい香りとともに心がほどけるような温かさがあります。
堀内シェフが子どもの頃、ほうじ茶を飲みながら近所の方々と団らんしていた思い出なども交え、食卓に地元愛あふれるエピソードが添えられました。

やさいめし

苺 黒文字 檀香梅

デザートに登場するのは、「富士夏媛(ふじなつき)」という夏から秋にかけて実る苺を使った一品。発酵させた苺のソースをベースに、黒文字(富士山麓に自生する香木)の新芽で香りをつけたアイスクリーム、檀香梅のゼリーや飴をのせ、芳醇な香りと苺の酸味が絶妙にマッチする仕上がりに。
山梨の自然の香りをそのまま閉じ込めたような、なんとも贅沢なスイーツです。

苺 黒文字 檀香梅

終わりに~山梨ならではの上質な美酒・美食の体験を~

寒暖差のある気候でじっくりと育ったぶどうを使ったワインや、澄んだ水と空気に恵まれた野菜・肉・川魚など、山梨にはほかでは味わえない最高の食材が揃っています。そこに腕利きのシェフたちが加わることで、食の魅力はさらに何倍にも広がるのです。
  
ぜひ一度、現地を訪れ、シェフたちが紡ぐストーリーを五感で味わってみてください。

米澤シェフ

【料理ジャンル】創作料理
1980年、東京・浅草生まれ。恵比寿にあるイタリアンの草分け的存在「トラットリア イル・ボッカローネ」を経て、22歳で渡米。NYミシュラン3つ星レストランにて研鑽を積み、2014年に「Jean-Georges Tokyo」を立ち上げ。2022年に完全紹介制レストラン「No Code」(東京・西麻布)をオープンし、現在に至る。2013年「Taste of America」日本大会優勝、2015年「RED U-35」ゴールドエッグ受賞。
NOCODE

堀内シェフ
【料理ジャンル】富士北麓キュイジーヌ
1986年、山梨県富士吉田市生まれ。調理師専門学校を卒業後、都内のレストランとホテルを経て、渡仏。北フランスの人里離れた場所に位置する2つ星レストラン「La Grenouillère」で研鑽を積む。2018年に帰国し、「Ichii」のシェフに就任。2021年には「RED U-35」のグランプリ(RED EGG)を受賞。2024年8月、山梨県忍野村にレストラン・オーベルジュ「nôtori」をオープン。
nôtori

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